【ファッションデザイン】平面・立体からの発想
【ファッションデザイン】 平面・立体からの発想
「人が着てくれて完成する服」の意味。
sousakufukutomo のコンセプトにある文言。
どういう意味かと問われたりします。
学生の頃から思っていたこと
いつも心の中にあることを書き留めてみると
今に繋がると気づきました。
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⑴ きっかけは、日本の着物文化
⑵ 地球上の人たちが纏うための数字の曖昧さ
⑶ 着物の直線と、洋服の曲線
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⑷ 直線からの発想
⑸ 自分が着るためではない服作り
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⑴ きっかけは、日本の着物文化
約1300年の着物の歴史の中には
平面を自身で立体にする文化があるように思います。
平面的なものが立体になったときの美しさ。
そこには、ひとりひとり違った身体が入り、完成する。
着物は平面ではあるけれど、お召しになる方の雰囲気
着こなし、佇まいで表情を変える、その妖艶さ。
その艶やかな変化を生み出している元は、平面であるという事実。
近代、洋服の文化となり、カーブに裁断された服を身に纏う習慣となった。
そんな時代に生まれ落ちた昨今の日本人。
日本の着物の文化と西洋の洋服の文化。
それぞれを日常に迎え入れているこの日本。
不思議な魅力があるのでは、と感じています。
⑵ 地球上の人たちが纏うための数字の曖昧さ
「被服科」という学びの場では
洋服の原型から 型紙を作っていく授業と
和裁で裁断や お仕立て方を教わる授業があります。
『洋裁』 『和裁』それぞれの数字の捉え方が面白くて
地球上にいる人類が身に纏うために数値化された
その数字の曖昧さに惹かれました。
そこには正解そうで、正解でないのではないかと感じるところの
数字に秘められた儚い余韻がたくさん垣間見えてきて
捉えどころのない数字の
そんなところが魅力的であり
それこそが地球上に暮らす者の
纏う者の数字なのかもしれないと。
「被服科」という学びの場では
『洋裁』 と 『和裁』 と別々の授業でしたが
地球上に暮らすものが纏うものという観点からみたら
共通点があるのではないか。
そんな風に考えるようになりました。
⑶ 着物の直線と、洋服の曲線
直線的な着物と
曲線の組み合わせから成る洋服。
相反するものの、それぞれの魅力の融合が
どこにあるのか考えたりしていました。
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⑷ 直線からの発想
下記の順番でよく考えます。
(おそらく、抽象的です)
1.直線的な考え方の元
身体のラインの美しさが引き立つポイントはどこだろうか。
2.直線的な捉え方の服を
着物とは違ったドレープ感ある素材で
身体を包み込めたら素敵ではないだろうか。
3.直線的で且つ立体的に組立てた洋服を
着こなしてくださる方に出会えるだろうか。
通常、直線から考えています。
または、直線の連なり=平面と捉えていることが多いです。
自然界にはない、人工的な直線を
曲線のかたまりである身体を纏うためにどう構築していくのか。
そんな曖昧な世界に
没頭している時間がよくあります。
結果、この直線美から成る洋服を
いかなる方が着こなしてくださるのか。
そんな部分がワクワクしますし
着こなしてくださった瞬間に立ち会えますとパワーを貰えます。
⑸ 自分が着るためではない服作り
上記の感じで服作りをしておりますと
自分に似合うモノではないデザインが生み出されます。
結果 『えっ、あなたがこのデザインを作っている人ですか??』
と言われることも、ままあります。
たしかに実際、自分に似合うデザインは少ないです。
(展示会場では、ひとまず着てますが)
ですので、着こなせる方に出逢えるとそれはそれは嬉しくて
本当に、嬉しいのです。
直線から生み出された服たち。
その服を着てくださる方がいる。
そこが完成で
私のなかでの完結です。
『人が着てくれて完成する服』
出逢ってくださり感謝です。
まとめ
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⑴ きっかけは、日本の着物文化
⑵ 地球上の人たちが纏うための数字の曖昧さ
⑶ 着物の直線と、洋服の曲線
—MORE–
⑷ 直線からの発想
⑸ 自分が着るためではない服作り
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